史上最強のロールス・ロイス。「ブラックバッジ・スペクター」という到達点

· BLACKBASE編集部 · 新型・発表
史上最強のロールス・ロイス。「ブラックバッジ・スペクター」という到達点

Image by: Rolls-Royce Motor Cars

ロールス・ロイスの「ブラックバッジ」は、クロームを黒く沈め、出力を高めた公式のオルターエゴ(もう一つの顔)として2016年に始まった。その系譜がフルエレクトリックのスーパークーペ、スペクターに到達した——ブラックバッジ・スペクターは、485kW(659馬力)という同社史上最強のパワーを持つロールス・ロイスである。

1,075Nmを呼び出す「Spirited Mode」

ステアリングのボタンで全出力を解放する「Infinity Mode」に加え、ブレーキとアクセルを同時に踏み込んでから発進する「Spirited Mode」を備えるのがこのクルマの流儀だ。後者は最大トルクを1,075Nmまで一時的に引き上げ、0-60mph(約97km/h)加速4.1秒——標準スペクター比0.3秒短縮——を叩き出す。ロールス・ロイスがローンチコントロールを積む時代である。

黒く沈められた意匠

フロントのパンテオングリルはダーク仕上げとなり、標準車のポリッシュアルミやシルバーの加飾はことごとく黒いトリムへ置き換えられた。静粛の極みであるEVパワートレインと、視覚的な威圧を最小限の手数で成立させるブラックアウト。「静かで、黒くて、速い」という三拍子は、現代のラグジュアリーが向かう先をそのまま示している。

編集部の視点

注意しておきたいのは、ブラックバッジが「黒いボディカラー」の呼称ではないという点だ。ダーククロームの意匠、強化されたパワートレイン、ドライバー寄りの脚——それらをまとめた公式のサブブランド名であり、実際にジュビリーシルバーやアークティックホワイトといった明るい仕立ても正式にラインナップされている。

その上で言えば、静粛の極みであるEVパワートレインと視覚的な威圧を最小限の手数で成立させる意匠の組み合わせは、現代のラグジュアリーが向かう先をそのまま示している。史上最強のロールス・ロイスがEVだったという事実を、本誌は創刊年の事件として記録しておく。

※掲載内容は公開時点の情報です。価格・発売日・仕様等の最新情報は、出典元および各メーカー・インポーターの公式発表をご確認ください。

RELATED関連記事