アルピナはなぜBMWに委ねられたのか。2026年「BMW ALPINA」始動が意味するもの

· BLACKBASE編集部 · コラム・考察
アルピナはなぜBMWに委ねられたのか。2026年「BMW ALPINA」始動が意味するもの

Image by: BMW Group

2026年1月1日、アルピナの商標権がBMWグループへ正式に移管された。1965年の創業以来、ブフローの小さな工房で「メーカーとして登録されたチューナー」という世界唯一の地位を守ってきたアルピナが、BMW直営のラグジュアリーブランド「BMW ALPINA」として再出発したのである。

マイバッハの方程式

BMWの狙いは明快だ。BMWのフラッグシップとロールス・ロイスの間には、価格にして倍以上の空白地帯がある。メルセデスがマイバッハで刈り取っているこの領域を、BMWはアルピナの名で埋めにいく。第一弾は7シリーズの改良型をベースにした新生B7となる見込みで、2026年後半の登場が噂される。6月には米国ディーラー向けに新型モデルのプレビューも行われ、関係者の評判は上々と伝えられている。

「一つの時代の終わり」も同時に

一方でこの移行は、ブフローの工房で完成されるアルピナの終焉でもある。米国向けには、XB7の生産終了を記念する120台限定の「XB7 MANUFAKTUR」が用意され、専用色フローズン・アルピナグリーン/ブルーを纏って一つの章を締めくくった。手作業の少量生産という価値が、ブランドのスケールアップと引き換えに薄まらないか——古参ファンの視線は期待と不安が半々だろう。

編集部の視点

アルピナの魅力は、速さの数字ではなく「見る人が見なければ分からない」という奥ゆかしさにあった。20本スポークのホイールと細いデコライン、それだけで通じる符牒。派手なエアロも大径ブレーキの誇示もない。

新生BMW ALPINAが背負うのは、マイバッハと張り合う価格帯である。そこで求められるのは分かりやすい豪華さかもしれない。だが、この控えめさを手放した瞬間にアルピナがアルピナでなくなることも、また確かだ。ブランドの成否は、実はそこで決まる気がしている。

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